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偶然のメソドロジー 鳴輪紗也加(地域貢献スペース/立川)

更新日:1月13日

多摩信用金庫本店2階ギャラリー(地域貢献スペース)では、鳴輪紗也加(なるわさやか、1995-)による個展「偶然のメソドロジー」を開催いたします。


鳴輪は女子美術大学で版画を学び、現在は同大学の助手として勤めながら作品の制作・発表を精力的に行っている気鋭の作家です。

イメージと物質の関係性を思考することがテーマであるという彼女の制作は、ある画像イメージを再撮影し、メディウム転写などの転写の手法を用いて新たな支持体に移していくというものです。転写の工程を通して変化を繰り返すイメージは、様々な形態をもって、空間に提示されます。このプロセスにおいて、イメージは作家自身の手の直接的な介入ではなく、あくまで物質同士の連関によって変容し、異なる物質性を帯びていきます。


今回の展覧会では、鏡という要素を制作に持ち込み、イメージが移行し変容することへの言及を試みています。版画を学んできた作家ならではのアプローチによる、映す/写す/移すという行為を経たイメージの展開をお楽しみください。



作家より

今回の展示では、鏡面に注目し、実在と虚像の関係性を思考していきながら、物質と知覚の差異について考えていく構成にしました。

鏡は偽の奥行を作り出し、存在しない奥行を存在するかのように見せることで現実の私たちの存在を曖昧にさせます。ではなぜ私たちが鏡に映る像が偽物であると認識するのかは、視覚をもつ身体が空間の中に位置して鏡に対面し、反転する現象や身体の動きによる動的な変化を知覚するからです。

作品の制作プロセスである鏡に映った像をカメラの眼を介して写していく工程は、空間の中に位置する物体や身体といった集合的有機体が光の反射を繰り返し、表層的なイメージとなり、様々な物質に移行していく様子を垣間見ることができます。2次元と3次元の往復をすることで、複製可能なイメージの空虚さの中に私という唯一性を見出していくことは、豊かな想像力と自律的行動の可能性を広げてくれると期待しています。



 


企画概要 

偶然のメソドロジー

会期|2023年12月11日(月)〜1月26日(金)

利用可能時間|午前8時〜午後9時

入場料|無料

会場|地域貢献スペース(多摩信用金庫本店本部棟2階北側通路のギャラリースペースです)

〒190-8681 東京都立川市緑町3-4 多摩信用金庫本店2階

お問い合わせ|042-526-7788(たましん美術館)


出品作家

鳴輪 紗也加 なるわ さやか

1995 広島県生まれ

2017 女子美術大学芸術学部美術学科洋画専攻版画コース卒業

2021 同大学大学院美術研究科博士前期課程美術専攻版画研究領域修了

 

2016  第41回全国大学版画展 美術館買い上げ賞受賞(町田市立国際版画美術館)

2016  第16回南島原市セミナリヲ現代版画展 南島原市教育委員会賞受賞

(南島原市ありえコレジヲホール)

2017  第61回CWAJ現代版画展 入選(代官山ヒルサイトフォーラム)

2017  第6回NBCメッシュテック シルクスクリーン国際版画ビエンナーレ展

入選 (有楽町朝日ギャラリー)

2018 PrintzⅡ 展(GALLERY ART POINT)

2019 DIVERSITY IN LIFE 多文化交流〜制作の現場から(アートラボはしもと)

2020 版画キメラ観察会

(女子美術大学相模原キャンパス2号館1階SWITCH Labo)

2021 個展「There is no there there.」(gallery TOWED 2F)

2022 めくられるページ、横切るハト。(KOGANEI ART SPOT シャトー2F)

2023 個展「周縁の集積物」(Alt_Medium)





会場は、たましん本店2階です。たましん内エスカレーターおよびエレベーターでお上がりください。

GREEN SPRINGS 2階と直結しており、同エリアの噴水のある広場に面しています。

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